軽量で高速なウェブサーバNginxを、Ubuntu 12.04に導入する(インストール編)
先週、ブログとウェブサイトを分離して、サーバを移転しました。これまではレンタルサーバを使っていましたが、新サイトはさくらVPSのサーバの上で、ウェブサーバNginxを動かしています。
Nginxは、ロシアで開発された軽量で高速なウェブサーバで、HTTPのリバースプロキシー機能とメールのプロキシー機能も備えています。詳しくは公式サイトwww.nginx.orgの解説(日本語)をご覧ください。
このエントリでは、Ubuntu 12.04 LTSにNginxをインストールする手順を説明します。
インストールするパッケージを決める
Nginxをインストールするには、次の3つの方法があります。
- Ubuntuのパッケージをインストールする
- www.nginx.orgで公開されているパッケージをインストールする
- ソースからビルドする
1はUbuntuの公式なパッケージをインストールする方法です。現在、12.04 LTS(precise)では、Nginxのバージョンは1.1.19です。2は、Nginxの公式サイトが公開している、Ubuntu用のパッケージをインストールする方法で、安定版の最新バージョンがインストールされます。3は、www.nginx.orgからソースプログラムをダウンロードして、自分でコンパイルする方法です。
ここでは、手軽さから、1の方法をとりました。
Ubuntu 12.04LTSでは、3種類のパッケージが用意されています。
- nginx-light - nginx web server with minimal set of core modules
- nginx-full - nginx web server with full set of core modules
- nginx-extras - nginx web server with full set of core modules and extras
これらのパッケージは、組み込まれているモジュールや機能の個数が違います。Nginxは、スタティックリンクでビルドされるので、あらかじめ必要なモジュールを組み込んでビルドしておく必要があるのです。下のものほど、機能が多いことになります。
私は、「全部入り」のnginx-extrasを選びました。
また、ドキュメントは次のパッケージに入っています。
- nginx-doc - small, but very powerful and efficient web server (documentation)
ですから、私は、2つのパッケージnginx-extrasとnginx-docをインストールすることにしました。
Nginxをインストールする
1. パッケージをインストールする
2. ポート80を開放する
Ubuntuでは、ファイアウォールを制御するには、ufwコマンドを使用します。
次のコマンドでポート80をオープンします。コマンドの引数にhttpを指定していますが、これはポート80を表わします。
ポートが開放されたことを確認します。ファイアウォールの状態を表示するには、sudo ufw statusコマンドを使います。次のように表示されればOkです。
ここでは、Toが80、ActionがALLOW、FromがAnywhereとなっており、「ポート80に対して、すべてのIPアドレスからのアクセスが許可されている」という意味になります。
3. nginxをスタートする
4. ブラウザからアクセスして、Nginxが起動していることを確認する。
例えばローカルマシンのブラウザから「http://localhost/」にアクセスすると、"Welcome to nginx!"というシンプルなページが表示されます。これでNginxが起動していることが確認できました。
5. 自分のIDをグループwww-dataに追加する。
Ubuntuでは、Nginxはユーザwww-dataとグループwww-dataで動作するようになっています。ですから、次のようにして、addgroupコマンドを使って、自分のID(この例ではMY_IDとしています)を、グループwww-dataに追加しておくと便利です。
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次のエントリでは、Nginxの起動や停止の方法について説明します。